地震保険制度について

地震保険制度の概要

地震保険は地震等による被災者の生活の安定に寄与することを目的として、政府と民間損害保険会社が共同して運営する保険です。
地震保険制度は「地震保険に関する法律」により以下のとおり定められ運営されています。

1. 制度の趣旨 保険会社等が負う地震保険責任を政府が再保険することにより、地震保険の普及を図り、もって地震等による被災者の生活の安定に寄与することを目的とする。 (地震保険法第1条)
2. 対象危険 地震・噴火又はこれらによる津波(以下、「地震等」という。)を直接又は間接の原因とする火災、損壊、埋没又は流失による損害 (地震保険法第2条)
(注)72時間以内に生じた2以上の地震等は、一括して1回の地震等とみなす(但し、被災地域が全く重複しない場合はこの限りでない)。 (地震保険法第3条)
3. 対象物件 住宅(店舗と併用のものを含む)、家財(1個30万円を超える貴石等の贅沢品を除く)(地震保険法第2条、地震保険法施行規則第1条)
4. 契約方法 火災保険契約に附帯(地震保険単独は不可) (地震保険法第2条)
(注)火災保険契約に原則自動附帯(選択により附帯を外すことも可)
5. 付保割合 火災保険金額の30%~ 50%の範囲 (地震保険法第2条)
6. 保険金額限度額 住宅5,000万円、家財1,000万円 (地震保険法施行令第2条)
7. 損害査定区分 全損(建物→主要構造部損害割合50%以上):保険金額の全額
大半損(同40%以上50%未満):同60%
小半損(同20%以上40%未満):同30%
一部損(同3%以上20%未満):同5% (地震保険法施行令第1条)
8. 加入制限 大規模地震対策特別措置法に基づく「警戒宣言」が発せられたときは、同法に基づき「地震防災対策強化地域」として指定された地域内に所在する保険の目的について、地震保険契約を締結することができない。 (地震保険法第4条の2)
(注)現在、東海地震についてのみ地域指定がなされている。
9. 保険料 保険料率は、収支の償う範囲内においてできる限り低いものでなければならない(=利潤を含まない→ノーロス・ノープロフィットの原則)。 (地震保険法第5条)
保険料率は、危険度に応じて、地域別(都道府県)・構造別(主に木造・主に非木造)に設定。耐震性能に応じた割引あり。
10. 政府再保険
  • 政府は、地震保険契約によって保険会社等が負う保険責任を再保険する保険会社等を相手方として、再保険契約を締結することができる。
  • 政府と民間損害保険会社(再保険会社)の再保険契約においては、「1回の地震等」当たりの官民 保険責任額を定める。また、支払保険金総額が政令で定める一定額に達するまでは全額民間負 担とし、一定額を超えると政令で定める割合で官民それぞれ負担するように定める(政府保険責 任額については国会の議決を得る)。 (地震保険法第3条)
(注)現在、3層構造(レイヤー)で官民保険責任額を定めている。
11. 総支払限度額 支払保険金総額が政令で定める一定額を超える場合には、同額の範囲内に支払保険金総額が収まるように支払保険金を同じ割合で削減することができる。
(地震保険法第4条、地震保険法施行令第4条)
(注)総支払限度額は関東大震災級地震再来を前提として算出。